正統派メカニカル。FILCO「Majestouch 2 Tenkeyless」茶軸モデル(FKBN91M/JB2)レビュー
2016/06/06 投稿者:きせのん
3年ほど前に購入したメカニカルキーボード、
「Majestouch 2 Tenkeyless」の茶軸モデル(FKBN91M/JB2)
をご紹介します。
目次
この製品について
この製品は、ダイヤテック株式会社がFILCOブランドで展開している、「Majestouch」シリーズの製品の一つです。
2の他にもBLACK、NINJA(ここまで有線)、MINILA(Bluetooth)、Convertible(有線/Bluetooth両対応)があります。
スペックシート
キースイッチ/キー数 | Cherry MX 茶軸 (tactile feel)/91キー |
---|---|
かな印刷 | あり |
キーピッチ/キーストローク | 19mm/4 ±0.5mm |
サイズ/重量 | 幅356×奥行135×高さ33mm(スタンド使用時44mm)/980g |
インターフェース | PS/2,USB (PS/2は変換コネクタを使用) |
ケーブル長 | 1.5m(直付) |
製品ページより抜粋。
レビュー
外観
シンプルながら安っぽくもなく、重厚感があります。
前面右端に埋め込まれたFILCOロゴがいい感じ。
キートップ
キートップの素材はABSです。
表面は元々ツヤ消しのような感じの光沢なのですが、長いこと使っているので、部分的にかなり光沢が出てきています。
かな入力用の印字があり、フォントも標準的と、基本に忠実ですね。
印字はレーザー印字です。
消えにくいと言われている方式ですが、一番摩耗しているキーでも普通に読めるので、まだまだ大丈夫そうです。
また、webで交換用キートップが販売されています。
印字が消えてしまった時はもちろん、割れたり紛失した時、新品に交換して気分を一新したい時にも便利ですね。
配列
ただし、右Winキーが省かれており、その分スペースキーが長くなっています。
個人的にスペースキーは長い方が好みなので、ここは嬉しいポイント。
ちなみに、Majestouchはテンキー部分の有無×配列(JISまたはUS)×スイッチの種類(4種類)の16モデルがあります。
テンキーレス派はもちろん、US配列派にも嬉しいですね。
重量
外観で「重厚感がある」と書きましたが、スペックシートに980gとある通り、実際に重いです。
それもそのはず、中には鉄板が入っています。
といっても、ゲーマー向けを含む高級キーボードのほとんどにはこのように鉄板が入っています。
重くすることでキーボードがずれにくくなるのはもちろん、剛性を高めることによって打鍵時の安定感を生み出しています。
スイッチと打鍵感
今回紹介しているモデルは、キースイッチにCHERRY MXスイッチの茶軸が採用されています。
単に茶軸とも言われていますね。
CHERRY MXスイッチとは:
米Cherry社…を買収した独ZF Electronics社の製造するメカニカルスイッチ。
押下圧と入力感の異なる4種類(実はもっとありますが、ここでは扱いません)があり、軸の色から茶軸、青軸、赤軸、黒軸と呼ばれています。
詳しくはこちら。
茶軸の打鍵感は、スペックシートにあるように"tactile feel"とされていますが、上記のページでも「ごくわずかに ソフトな感触がある」と ある通り、接点部でのタクタイル感は割と薄いです。
なので、メンブレンキーボードを使っていた人ならば、かなりスムーズにキーが沈んでいくように感じると思います(リニアかつバネの軽い赤軸には及びませんが)。
また、バネ自体がかなり軽いこともあり、軽快なタイピングができます。
個人的には、文字入力にも良いのですがどちらかと言うとゲーミング向けな軸かなと感じました。
タクタイル感があることで入力されたのが分かり易いですが、一方で長時間文字を入力しているとそれが少し気になってきます。
ゲームはしない、という方は赤軸・黒軸のようなリニアな(タクタイル感が無く、深く押せば押すほど押下圧が大きくなっていく)スイッチをおすすめします。
蛇足:軸の種類と向き不向き
一般的にゲーミングには青軸(キー入力のタイミングが分かりやすいからだとか。あとキーの軽さ)、文字入力の多い人には黒軸(底打ちしなければ意外と軽く打てるらしい)が向いていると紹介されることが多いです。
が、ぶっちゃけただの好みの問題なので、パソコンショップ等で一通り触ってみて自分で決めましょう。
…という前置きを置いた上で私が1種類勧めるとすれば、赤軸が良いと思います。
軽いので強く底打ちしてしまいやすい(→うるさい)という欠点はありますが、ゲーム用途では茶軸よりもよっぽど快適でしたし、タイピングでもそこそこ気持ち良く打鍵できていました。
ただ、フルキーボードだった(テンキーレスが好き)のとRealforceを購入したため埃を被るようになり、最終的にTomokinに譲ってしまいました…
また何らかの形で赤軸のキーボードを買いたいなぁ…と思っています。
打鍵音(大きい(かなり))
好き嫌いの分かれるところ。
個人的にはこれも好きなポイントの一つではあります。
ただ、ボイスチャット時や職場や公共の場所で使用する場合には相手や周囲の人への配慮が必要でしょう。
もちろん打ち方や軸の種類にもよって打鍵音も変わってくるのですが、黒軸以外の軸は(押下圧の低さやタクタイル感によって)底打ちしてしまうことが多いので、打鍵音も大きくなりがちです。茶軸も然り。
一応、対策としてOリング等をキーの裏側に付けることによって静音化できます。
ただ劇的に効果があるというほどではなく、打鍵感も変わってしまうので、好みが分かれそうです…。
Razerのオレンジ軸など、スイッチの構造レベルで静音化を施したキーボードもあります。
まとめ
ゲーミングキーボードのような派手なところは(見た目・機能共に)ありませんが、シンプルで良いものが欲しい!という方や、初めて高級キーボードに手を出す方におすすめしたいキーボードですね。
また、カチャカチャとしたや大きな打鍵音など、メカニカルスイッチは単純に叩いてて楽しいです。
打鍵音さえ大丈夫であれば、衝動買いしてしまっても後悔はしないと思いますが、まずは店頭で試し打ちしてみて、その良さを感じて貰えればと思います。
ちなみに、画像に写っていたパームレストやマウスパッドはこちら。